見る人の心を楽しめませ印象ずけるのが、荒々しい断崖の上に広がる緑に覆われたなだらかな牧畑と、のんびりと草をはむ牛馬です。この二つの風景が少しの違和感もなく一つの額に収まって見事な絵になっています。晴天の日の海からの眺めは最高ですが陸路で257メートルの絶壁「摩天崖」の上に出て、水平線の彼方まで広がる日本海を見下ろしながら、ゆっくり「通天橋」まで歩いて下るのも快適なウォーミングコースです。国賀海岸は昭和13年5月、名勝天然記念物として国の指定を受けました。荒波に削られたアルカリ玄武岩の岩肌は色も黒から黒褐色、赤茶とまさに島後の白島と好一対となっています。中ノ島(海士町)と知夫里島(知夫村)をなかば囲むような格好になっているので、太古以来、北から西にかけての風浪の浸食を一手に引き受けていたことを物語っています。
|